皆様こんにちは。いかがお過ごしですか?比較的涼しかった今年のスペインの8月。今年はもう夏が終わっちゃうのかと国中が楽観視していた9月初旬、突如とスペイン全土を襲ってきた猛暑に皆が狼狽しました。何しろアンダルシアでは9月に43度を記録。北部ですら40度を上回ったりと、1988年以来の記録的な猛暑となったのです。でもそんなおかしな九月ももうおしまい。暑さにしばらくお別れを告げる前に、シエスタ-午睡-についてまじめに話してみたくなりました。今回のスペインの扉は、これまでにたくさん語られてきているシエスタについてです。お持ちのイメージを覆すかもしれませんよ。

 

そもそもシエスタって?

 

うだる8月のラマンチャ地方・・・。午前中の日のあたらない石畳はまだひんやり冷たい。

うだる8月のラマンチャ地方・・・。午前中の日のあたらない石畳はまだひんやり冷たい。

 

暑すぎると、人間だけでなくありとあらゆる生き物の動きも鈍くなる。ごく当たり前の防衛/生存本能なのかなと暑さにうだり、朦朧とするなか、この夏思い出したのは、「地中海歴史散歩1- スペイン」(河出書房新社出版)」という本の中で語られていたシエスタに関するくだり。

午睡の習慣は別にスペイン人が怠け者だからではない。過酷な気候が生み出した人間の知恵である。筆者もアンダルシーアの村に住んだことがあるが、シエスタの語感から想像されるイメージ -たっぷり食べた昼食の後、ワインの酔いに陶然としながらベッドで昼寝するなんて生やさしいものものではない。

真夏のアンダルシーアは体感温度が摂氏四十度とか五十度の世界だ。人々は夜明け前に畑に出て働き、正午には家に戻って昼食を済ます。その後、厚い白壁に切り込まれた板戸をしっかり閉じ、薄闇の中、ひたすら時が過ぎるのを待つのである。濃密な熱気はそれでも室内に侵入して、そこにいる人を息苦しくする。
 午後七時過ぎ、ようやく炎暑も弱まり、涼風が吹く時刻となる。人々はベッドから這い出し、ほっと蘇生する。これがシエスタの実態である。

実際のところそんな猛暑の間、スペインの一般家庭ではどうすごすのかというと・・・。

通常(知恵のあるお母さんやお父さんがいる家庭では)朝早めに室内の空気交換を済ませてしまうと、気温が上がりすぎる前に家中の窓と雨戸(PERSIANA)を完全に下ろして外気をシャットアウト。家の室温があがらないようにして一日を過ごします。運がよければ真夏だと20~21時ごろに少し気温が下がったかな、と感じられるようになるので、それからようやく窓を開けて暑さに重くなった空気を入れ替えます。

セビーリャ 夏 猛暑

2016年9月。記録的な暑さになったセビーリャの午後の温度計。もちろん太陽に照らされぱなっしの観測地にある温度計の数値ではありますが、正直、この数字を見るだけであらゆることのやる気が失せます・・・。夏にセビーリャの午後観光を組み入れている団体旅行にご参加するならば、十分な覚悟と対策を準備して望んでくださいませ。

 

 

我が家も夏の間はずっと家中の窓と雨戸をおろし、昼間から電気をつけながら過ごしておりました。

うわ~、なんだか暗い!って感じがします?

でもそうしないとともっとつらい思いをするのです。もちろんエアコンや扇風機があれば別ですけれど、一日中これに頼っているわけにはいかないですし、エアコンの電気代は馬鹿になりません。スペインの光熱費は欧州内では4番目に高いのです。一般家庭の収入にまったくもって優しくないですね。

でも、目には目を、歯には歯を。虐げられる一般市民も黙ってはいませんよ。電力をいかに電力会社から安く騙し取るか。家庭の電力測量メーターに裏工作をして、請求金額が安くなるようなことをしちゃうのですから驚きです。自分の身は自分で守る、これぞスペインで生き延びるための鉄則だと、スペイン人から教えていただきました。ただ筆者にはどうしても実践するには躊躇してしまうテクニックですけれど。

余談ですが、スペインは日照時間が長いという点でとても有名で、事実、7月は夜22時まで明るいのです。じゃぁ太陽熱発電が有効的じゃぁないですか、と誰もが思うところ、この国では数年前からソーラーパネルを設置して自家発電をするのに税金をかけようとする法律を作ろうとする動きがあります。誰のための政治なんだか・・・。眉をしかめたくなることも。

 

シエスタは今でも必要?

1999年、マドリードに移り住んで間もなかったスペイン暮らし新参者の筆者は、とにかく“郷に入れば郷に従え”でスペイン人の暮らし方、仕事に対する姿勢、上司との接し方、遊び方、人生の捉え方、とにかくあれこれ観察してきました。生活習慣のなにからなにまで違う国で、日本流を貫こうとするなんて礼儀知らずというよりは、“そもそも無理”なんだということを実感するようになったのはそれからずいぶん後になってからのこと。

独身時代は悠々自適、マイペース。でも家族ができ、特に子供を育てる生活をするようになると、シエスタの必要性を強く実感するようになりました。 他の欧州諸国では必要なくても、この国には絶対必要だと思っています。

暑いし、日は長いし、他の欧州諸国の人たちだって、夏にはスペインのビーチにシエスタしにやってくる。教育カリキュラムだってそれに沿った時間割を組みます。小学校の給食は13~15時に開始。ランチ時間は遅いと16時に終了。食事が終わって、任意で参加する課外活動でもなければ一番暑い時間に放り出されます。太陽は21-22時までカンカン照りだから、公園でだって遊べません。家にこもるしかないですよね。子供達が大人に連れ添われてわらわらと家から出始めるのも夜の20時ごろから。(もちろん明るいんですけど。)そりゃ夜更かしにもなってしまいます。そうすると翌日の昼間が持ちこたえられなくてシエスタ・・・。これはもう避けようのないサイクルですね。

そんな国で生活をしていると、夏以外にお昼ごはん=>シエスタのサイクルから抜け出すのは至難の業に見えますが、涼しくなってくると案外その要求を体が訴えてくるのも少なくなるものなのでしょうか。10月になって朝晩涼しくなり、すこしエクササイズなんてしようかしら、という気分になった今度は、秋の味覚を脳が訴えてくるようになりました。

最後まで読んでいただき有難うございました。

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