公園や道端で風が渦のように舞い上がり落ち葉や鳥の羽、花びら、ごみなど、何でも誘って踊る風の渦を目にしたとき、思わず立ち止まって時がたつのを忘れその様子をしばらく眺めてしまったという経験は皆さんにはありませんか。春一番の突風や、夏嵐、涼風、秋風、木枯らし、空風など、日本には昔から日本古来から季節ごとの吹く風をあらわす季語がたくさんあるので、そもそも日本人は花や木を愛でるのと同じように雨や風、雪を愛でる気持ちが強い国民なのでしょうか。今回のスペインの扉は、風の舞う丘、コンスエグラへ皆さんをお連れいたします。

 

 乾いた大地 ラ・マンチャ

カスティーリャ・ラ・マンチャ地方。スペインの広大な台地のおよそ16%ほどの面積を占める大きな自治州で、ラ・マンチャとはその昔イベリア半島でイスラム教が優勢文化だった時代に「乾いた土地」と呼ばれていたところに由来するそうです。

 

Consuegra_Rucio aerea

12基の風車と奥に見えるのは11世紀の古城。現在は修復されて入場可能になっています。

 

このラ・マンチャ地方は、文豪セルバンテスが残した名作「ドン・キホーテ」の主人公、ドン・キホーテとお人よしの従士のサンチョ・パンサが繰り広げる数々の冒険の主な舞台となっています。

日本では今年になって松本幸四郎さん製作のミュージカル「ラ・マンチャの男」の遍歴が再び始まるらしいので、またラ・マンチャの名前が日本全国に広まるかもしれないと思うととっても楽しみでなりません。クラシック映画ファンの方ならピーター・オトゥールとソフィア・ローレン主演の映画「ラ・マンチャの男」もなじみがあるかもしれませんね。またはどちらも知らない!という方でももしかしたら「見果てぬ夢」というミュージカルのハイライトの歌は聞いたことがあるかもしれません。

スペインといえばドンキホーテ、ドンキホーテといえばラ・マンチャ地方。そんなわけか日本の皇太子様もかつて公式訪問をなさっているほどで、スペインの源流、魂のような存在だとも言えるのです。

 

スペインのアラゴン州、サラゴサにて世界万博の階差入れた2008年。皇太子殿下はラ・マンチャ地方のコンスエグラを公式訪問されました。大変リラックスされた様子で、ロバに腕を回したり、地元の人々と言葉を交わしたりされたといいます。

スペインのアラゴン州、サラゴサにて世界万博が開催された2008年、皇太子殿下はラ・マンチャ地方のコンスエグラを公式訪問されました。ドン・キホーテとサンチョ・パンサに扮した地元の人々と言葉を交わしたり、ロバに腕を回されたりと、大変リラックスされた様子だったとか。飾らず気さくな気質の土地、コンスエグラの魅力を存分に楽しまれたということなのでしょうね。

 

コンスエグラ

カスティーリャ・ラ・マンチャ自治州、州都はトレド。コンスエグラはトレド県にある基礎自治体(municipio/ムニシピオ)のひとつです。スペインの首都マドリードからは南へ車で約1時間半、トレドからは約1時間ほどのところに位置しています。標高が700㍍もある広い台地に横たわる人口1万1千人ほどの小さな町です。

『名前は思い出せないが、ラ・マンチャのある村に、そう遠くない昔、一人の郷士が住んでいた。』

これは「ドン・キホーテ」の冒頭ですが、コンスエグラは小説の登場人物が今でもいき続け、ロマンの風香る典型的なラ・マンチャの村です。村の主な産業は農業で、セボジェタと呼ばれる冬の甘い白ネギ、穀物、オリーブ、サフラン、ワイン用の葡萄(その半分がフランスに輸出されフランスワインになるのです!)などが作られています。中でもコンスエグラのサフランは世界的にも大変有名で、流通しているサフランの中でも最高品質一DOP(Denominación de Origen Protegida*)のカテゴリーに属し、品質が極めて高いことで知られています。

 

サフランの花。青紫の小さな花はとても背丈が低いので一つ一つ手摘み作業も一仕事。だから花を摘む時期が来ると多くの人が協力して摘んでいきます。それが毎年10月に開催されるサフラン祭りです。

サフランの花。青紫の小さな花はとても背丈が低いので一つ一つ手摘み作業も一仕事。だから花を摘む時期が来ると多くの人が協力して摘んでいきます。それが毎年10月に開催されるサフラン祭りです。

 

風の舞う丘

そんな穏やかなコンスエグラの町の南西には細長いカルデリコの丘が南北に伸びています。このカルデリコの丘に12基の風車と11世紀の古城が今でも建っていてコンスエグラの町を高台から見張り守り続けているようです。丘の近くまでくると最初は「どうしてこんな何もないところに、風車を建てたのだろう。」という疑問が頭をよぎるかも知れません。でもその答えは丘の頂上に辿り着くと自然に得られます。丘の一番高い部分と町とでは標高100㍍ほどの比高差があるので常に風が吹いているのです。足元には雄大なラ・マンチャの大地が360度のパノラマで広がっていて、以外にこういった景色はほかでは見られないという思いに至ります。それだけここからの景色は唯一無二の風情が漂ってるのです。

 

コンスエグラの街のどの角度からも見られるカリデリコの丘。ぐっとこの部分だけ高くなっているのがよくわかります。

コンスエグラの街のどの角度からも見られるカルデリコの丘。ぐっとこの部分だけ高くなっているのがよくわかります。

 

少し前まではラ・マンチャの風車といえばカンポ・デ・クリプターナという別の村のほうが圧倒的に知られていて、コンスエグラを訪れる観光客はずっと少なかったのですが、男性的で豪快な景観が徐々に知られるようになった現在では、風車=コンスエグラと言っても過言でないほど人気が高まって観光バスがやってこない日はないほどの賑わいです。

 

涼風や 巨人の腕に導かれ 舞うは青紫の 夢のひとひら

by スペインの扉

 

さあ、スペインの扉を開いてコンスエグラへ。思い立ったら吉日です。さすがにコンスエグラへの直行便のバスや列車がないので今回ばかりは個人旅行よりもコンスエグラに立ち寄るバスツアーのほうがお奨めかもしれません。JTB阪急トラピックスなど、一般的な団体企画旅行会社のその多くの商品にコンスエグラに立ち寄るツアーがあるので、探してみてくださいね。

風車の内部の見学も可能です。内部には小さなショップもあって、コンスエグラで作られたオリーブ、オリーブベースのコスメや雑貨の販売がありました。

スペインの扉が気に入ったのは小さな風車。 玄関やテレビの棚などに置いていつでも夢の丘を思い出せる、そんな小さな存在が気に入りました。 訪れた方にも是非手に取っていただきたいお土産ですね。

 

小さな風車。コンスエグラを訪れたら是非おうちに一台お持ち帰りしてあげたいくらいかわいい!

小さな風車。コンスエグラを訪れたら是非おうちに一台お持ち帰りしてあげたいくらいかわいい!

 

今日も最後まで読んでいただき有難うございました。

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