スパニッシュ インディーズ ポップ・ロック Vo.1

by 土屋 寛子

こんにちは!人生に音楽を、心に花を、頭にドーパミンを!毎日そんな環境で生きていたいと思うスペインの扉です。皆さんは普段どんな音楽を聴かれますか?スペイン語の音楽を聞く方はいらっしゃるかしら?そんなことを考えながら今回のスペインの扉ではスパニッシュ インディーズのプッポ・ロックグループにスポットを当ててみたいと思います。


スペイン語でもっと音楽を!

筆者はスペイン語を学び始めた時以来、たくさんのイスパニア系(スペイン・中南米含むすべてのスペイン語圏)音楽を聴いてきました。外国語を学ぶのに音楽ほど最適の教材はないですよね。どんな言語でもそうですが言葉は耳から覚えるのが一番早い!といのは筆者の持論。意味なんてわからなくてもいいから言語の持つ音、速さ、イントネーションを、とにかくネイティブの音で聞きまくって脳内に情報だけどんどん蓄積させる。勉強による知識や説明付けはその後で十分だと思っています。私がスペイン語を勉強し始めた頃は音源も限られていたので(なんといってもまだインターネットが今みたいに普及していなかったので。)大学の先生が貸してくれたカセットテープをダビングしたり、中古CD屋でスペイン語のグループであるという理由だけで購入したアーティストのアルバムなど、ジャンルを問わず繰り返し聞いてきました。世界の恋人フリオ・イグレシアスがスペイン人(マドリード出身)だったとか、ベサメ・ムーチョという私の祖母が歌っていた古い歌謡曲がスペインの歌だったということを知ったのはたぶんその頃だったと思います。まさかそれから今の今までこんなにスペイン語にどっぷりつかる人生になるとは思っておりませんでしたが、スペイン語風に申しますと、¡Ha llovido mucho!(訳-(まぁ)いろいろなことがありました。)筆者の人生でもスペイン語音楽界でも。ネットが普及した今、世界中の音楽が瞬時に聴ける時代です。スペイン語を学んでいる方、いわゆる洋楽が好きでも英語圏のアーティストしか聞かないという方にも、SPANISH SOUNDの面白さを知ってもらいたいな~と日々マドリードから思っています。

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Izal イサールという新現象

さてそんな筆者が20年以上スペイン語圏の楽曲を聞いてきて、大ファンになったアーティストも何人かいますし、個人的には興味ないけれどスペイン内外では大人気となったアーティストやグループがたくさん出てきたのも見てきました。もうすでに古くなってしまいましたが以前郷ひろみさんが「Goldenfinger ’99」というタイトルでカバーしたスペイン語の歌(オリジナルタイトルは「LIVIN’ LA VIDA LOCA」)は大ヒットしましたね。でもここ数年個人的にはスペインのアーティストの中で、”つかまれる″ほど好きになったアーティストには出会ってきませんでした。Izalに出会うまでは。

別に威張りたいとかいうわけではなく、ただスペイン人が歌う歌をたくさん聴いてこないと説明してもわからないフェチなレベルのことなので申し訳ないのですが、イサールのヴォーカリストの声にはマチョ イベリコ特有の艶があり、スケールの幅が広く、力強さの中に優しさと愛があり、本物のマチョ イベリコのヴォーカリストだけが持つ“魔のビブラート”に溢れ、まさに特上品の霜降りイベリコ ベジョータ級。よくわからない・・・ですよね。無理しても簡単に裏返ったりしない、安心して聞いていられるタイプの声、かつ何度でも聞きたくなる声って上質の喉と奥深いソウルからしか出ないでしょう。ソウルの部分は生きている間に深まるとして、人の心をつかむ声って持っているか持っていないか、ただそれだけのことだから本物を聞くとわぁっと鳥肌が立つんです。イサールの音については次のブログでもうすこし突っ込んで書きたいなと思っています。とにかく今回は本邦初導入、イサールってこんなグループです!

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Izalメンバー。左から-イバン・メジャ(鍵盤)、アレハンドロ・ホルダ(ドラム)、ミケル・イサール(ヴォーカル)、エマヌエル・ペレス”猫”(ベース)、アルベルト・ペレス(ギター)

IZAL バイオグラフィー 

ジャンル - インディーズ POP/ROCK 

メンバー:
Mikel Izal(ミケル・イサール) :ヴォーカル、ギター、作詞・作曲
Alejandro Jordá(アレハンドロ・ホルダ):ドラム
Emanuel Pérez“GATO” :(エマヌエル・ペレス“猫”):ベース
Alberto Pérez (アルベルト・ペレス):ギター
Ivan Mella(イバン・メジャ):鍵盤

メンバーのそれぞれがベテランのミュージシャンですが、今のメンバーでIzalが結成されたのは2010年のこと。2010年に自費作成で1stシングル“Teletransporte”(テレトランスポルテ)を発表。2010年~2011年にかけてスペイン国内で60以上ものライブを公演。ベースに流れるポップなメロディーラインの随所に、異なる時代のロックの影響が力強く時に繊細に絡む旋律は、一般音楽ファンと音楽業界の間でじわじわと人気が広まっていきました。その人気度は2011年、スペインのインディーズ音楽の殿堂-SONORAMAにゲストアーティストとして出演することで実証されます。

2012年にファーストアルバム“Magia&Efectos Especiales(魔法と特別効果)を発表。ライブ活動に加え2013年はFranz FerdinandやTravisなど国外有名アーティスも出演する規模の物も数えて17のフェスティバルに出演。スペイン国内で最も有名なインディーズ音楽雑誌Mondosonoroの10月発行版にて“2013年のGrupo Revelación”(レベレーション グループ)に選ばれます。

Mondsonoro主催 2013年のレベレーショングループに選ばれた

 

2013年10月には2枚目のアルバム“Agujeros de gusano”(ワームホール)を自費作成・発表。アルバム発売2週間後にはプロムシカエ番付でランキング8位を記録。同年、The Rolling Stone誌主催のミュージックアウォードにおいて、レベレーション グループ部門にてノミネート・受賞。

2014年 バスク地方でのライブより

2014年 バスク地方でのライブの様子。

 

精力的にライブ活動をスペイン国内外で続けて来たIzal。バンドの人気度はライブを重ねるたびに高まっていき、日に日に数を増やすファンの思いがIZALのグルーブにも影響していきました。ファンとアーティストによるシネジーを具現化するかのようにライブの会場も小さいライブハウスから徐々に大きなホールに変わっていき、ライブはすべて完売という現象がスペイン中で起こりました。ライブの合間を縫ってリーダーのMikelは作詞・作曲を続け、メンバー全員でエネルギーと愛情を注いだ新曲12曲を収めたのが、2015年9月18日に発売された3枚目のアルバム “Copacabana” です。

 

Izal 待望の3枚目のアルバム-Copacabanaジャケット。

Izal待望の3枚目のアルバム-Copacabanaジャケット。文句なしにかっこよく個性的なイベリアサウンド。ボーカルの魅力もサウンドもスペイン以外では生まれ得ない!すでにスパニッシュロックの歴史にさえ残る一枚になりそうな力作です。

 

Izal3枚目のアルバムは発売2週間目にしてスペインのアルバムセールス2位に躍り出た。

3枚目のアルバムは発売2週間目にしてスペインのアルバムセールス2位を記録しました。

 

注目の3rd アルバムからの1st シングル“COPACABANA”

どうでしょう?すこし興味が沸いてきていよいよどんな音楽なんだろう、どんな声なんだろうって思い始めてくださったら大成功!どうぞヘッドフォン着用でお楽しみください。魔のビブラートが脳の消化壁を揺さぶってドーパミンが溢れてくるのを感じてくださいね。

 

 

写真とビデオについて:

今回の記事で使用した写真、ビデオはすべてIZAL MUSICに帰属するものでスペインの扉は一切その所有権を保持しておりませんが、使用許可を得て掲載しております。無断の転用・使用はご遠慮願います。

今日も最後まで読んでいただき有難うございました。

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