残暑お見舞い申し上げます。スペインも今年の夏は記録的な猛暑と熱帯夜の連日の6月、7月でしたが8月はようやく例年並みの暑さになり、9月に入るとすっかり朝晩は15,6度前後まで下がりとてもすごしやすい日々が戻ってきました。8月前半に2週間の夏休みを久しぶりにスペイン国内で過ごしましたが、そのうち一回の週末を利用してコンスエグラの時代祭りを見に行ったときのこと。お祭りの出店で素敵な陶器に出会いました。

 

アルバセテ(Albacete)出身の陶芸家。

知識はまったくないものの焼き物が好きなこともあって、彼の作品には出会ってたちまち目が惹かれました。好きなものに出会うと、その気持ちを相手に伝えたい衝動が抑えきれなくなる筆者が話をしたいなと思いながら見ていたら、なんと彼のほうから声をかけてきてくれたのです。

「君は日本人かな?僕の作品を見ている君の目を見てそうじゃないかな、って思ったんだよ。」

テレパシー?!うれしくなって話を聞くと、世界中にある焼き物の中でも特に日本の信楽焼きが一番好きで憧れなのだとか。

大きいものでは幅が30センチ近くありそうな大皿から小さなものはお香立てくらいの器まで。出来上がり具合も様々に、日本の茶器のような風合いの黒色のものやさわやかな地中海の陽光を感じられるような色調のものなど、なるほど彼自身そのものと言えるような作品ばかり。その中でも一番最初に眼がいって、しばらくご本人に作品についてお話を伺った後、もう一度ざっと作品たちを見渡してみて、やっぱり最後に眼がいった一点がこちらの小鉢。

「地中海の海をイメージしたシリーズなんだ。地中海の美しさにどうやったら近づけるのかを色やフォームや線で表現したかったんだよ。」

蓋を閉じるとふっくる丸くなった水泡のような感じでとてもかわいい。

蓋を閉じるとふっくる丸くなった水泡のような感じでとてもかわいい。

 

「乾いた大地-ラ・マンチャ地方ご出身なのに?」

「(笑って)僕は10年ほどイビサに住んでいたことがあるから。」

「なるほど。アーティストが集まる街ですものね。」

両手でぽっかり包み込めるほどの大きさ。上下の器が波のようにうねるラインで隔てられそして同時に寄り添いあう。
光の量で色の変わるイビサの海。白い砂浜、きらめく陽光。そんなイメージそのもの。本当に素敵です。

なんだろう、くちばしのようなとんがり部分が妙に気に入って、迷わず購入決定。

ふちの波打うつラインがなんとも愛らしくて優しくて。

ふちの波打うつ優しいラインがなんとも愛らしくて。

 

生花を生けてみたり
アクセサリーを入れたり
ハーブを入れたり・・・
イビサのお塩を入れて常に食卓においておいてもいいかな。

 

「いつか日本へ行って本物の陶器を存分に見て見たいんだけど・・・。なかなか今のスペインでは伝統の焼き物を理解してくれる人は少ないんだ。厳しい状況だけど、大好きな陶器作りはやっぱり続けながら生きていきたいよ。」

 

小さなお花もここではこんなに存在感があるように見えます。なんだか幸せそうに見えませんか。

小さなお花もこの器の中ではこんなに存在感。なんだか幸せそうに見えませんか。

 

焼き物は、作る人の魂が作品に表れるもの。私の出会ったアルバセテの陶芸家が作る焼き物は、手に触れると彼の優しい人柄と作品一つ一つに込める思いが伝わってきて、眺めているだけで私という一人の人間を幸せな気分にしてくれる、そんな大切な一点になりそうです。大きなイベリア半島の中心に、まだ訪れたことのない遠い日本に憧れる一人の陶芸家が日々土にその思いを込めながら生活している・・・。そんなシーンはなんだかとてもロマンチックにさえ思えます。いつか古い陶芸の町、アルバセテまで彼に会いに行きたいな。この出会いが新しい冒険と旅の理由をまたひとつプレゼントしてくれたみたいです。

 

今日も最後まで読んでいただき有難うございました。

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