こんにちは。こちらスペインは、3月~4月のセマナ・サンタ(聖週間)の大型連休に続き、5月1日のメーデーの連休、また首都マドリードはサンイシドロの祝日もあり、連休・祝日が続いてきました。祝日の前後となるとテレビのニュースでは、バケーション地(主に海岸沿岸地域)のホテルの稼働率や、高速道路の事故発生、渋滞の映像などがとても多くなります。やがて5月の連休が終わると、後は6月を迎え、子供がいる家族の話題は、夏休みをどう乗り切るかで一色に。このあたり、生活していると、国が変わってもきっとどこの家庭も似たり寄ったりなんだろうなぁ、とぼんやりテレビのニュースを見ながら思ったりしています。

さて、スペイン国内には美しいビーチや大自然の美しい山がたくさんあるので、スペイン人の多くが週末や連休に海や山に遊びに出かけています。今回のスペインの扉では、夏休みまであと少しのこの時期に、まだまだ知られていないスペインの美しい山にあるハイキングルートをご紹介していきたいと思います。

 

ピレネー山脈について

 

ヨーロッパ、スペインが好きな方は然り、歴史の好きな方ならピレネー山脈の名前は何度も聞いたことがあるでしょう。恐らくスペインで一番有名な山岳地帯と言えると思います。このピレネー山脈はイベリア半島の付け根部分をほぼ東西に走っています。(全長430km)。

かのナポレオン軍が「ピレネーの向こうはアフリカだ。」と、斜陽にあった当時のスペインを揶揄するように言ったといわれていますが、つまりスペインとフランスの国境を隔ているのがこのピレネー山脈です。初心者でも歩けるハイキングコースがたくさんある上、多様な高山植物が楽しめ、氷河期の湖や多くの川などもルート上にあるため、6月~9月のハイシーズンにはスペイン国内、ヨーロッパ諸方面からの大自然を楽しもうとハイキング客で賑わいます。

当然ピレネー山脈にはスペイン側とフランス側に分けられるのですが、広大な山脈には、ピレネー国立公園(フランス領)に加えて、スペイン領のオルデサ・イ・モンテ・ペルディド国立公園、アイグエストルテス・イ・レスタニー・ダ・サント・マウリシ国立公園、ポセッツ・マラデータ自然公園の3つの公園があります。また、一部はアンドラ領ともなっているのですが、アンドラ領のマドリウ・ペタフィタ・クラロ渓谷はユネスコの世界遺産に登録されています。

 

 

 

 

 アイグエストルテス・イ・レスタニー・ダ・サント・マウリシ国立公園

カタルーニャ自治州レイダ(Lleida)県にある、カタルーニャ唯一の国立公園。年間33万人以上の登山客が訪れるそうで、カタルーニャ・ピレネーの中で一番の人気を誇るハイキングスポットになります。表面積は1万4000㌶以上、麓で高度1350m、最も高いポイントで3033mと、大変雄大で大自然が楽しめます。公園領土は実質、アルタ・リバゴルサ、パジャルス・ソビラー、アル・デ・アラン、パジャルス・ジュッサという4つの地方に跨っているので、公園へのアクセスはいくつかあるのですが、今回は登山客達に最も利用されている3つアクセスポイントについて触れてみましょう。

 

 

アクセスポイント1.ボイ渓谷

ボイ渓谷(Valle de Boi)はカタルーニャ地方ピレネーを代表する渓谷で、アイグエストルテス・イ・レスタニー・ダ・サント・マウリシ国立公園の西側(国立公園のアイグエストルテス地域)の麓に広がっています。

ボイ渓谷はカタルーニャ・ロマネスク諸芸術を数々生み出した地方としても大変有名な場所。ピレネーを背景に地中海を見晴らす個性的な地理条件の中、11世紀には初期ロマネスク様式教会が多く建てられ、12世紀になるとそれらの教会に多数のロマネスク様式の壁画や板絵が描かれました。19世紀のこれらの教会建築や壁画の収集が始まり、そのコレクションの集大成を展示する場所として、バルセロナ市内モンジュイックの丘に君臨するのが国立カタルーニャ美術館です。この美術館を訪れると、これまでロマネスク様式にあまり興味がなかった人も、そのユーモアと人間身溢れる描写に魅了され、もっとロマネスク芸術に触れてみたくなるでしょう。美術館内でカタルーニャ・ロマネスク芸術のエネルギーの浸されていると、ピカソ、ダリ、ミロなどの20世紀の画家達や、ガウディでさえカタルーニャ・ロマネスク芸術の系譜に当たるのかもしれない、と想像やロマンが壮大に膨らんでいきますよね。

この地方に多数残るカタルーニャ・ロマネスク様式の建築群の価値が大きく評価され、ボイ渓谷の教会群全てが2000年にユネスコの世界遺産に認定されています。自然と歴史・文化を愛する人にとって、ピレネー山脈の大自然を楽しむと共に、世界遺産の魅力も満喫できるので、一押しの夏場の訪問地。

ボイ渓谷を拠点に、アイグエストルテス国立公園へのハイキングが開始できます。ボイ渓谷から登山口までは徒歩、またはハイキング開始まではエネルギーを温存させたいという人は、ボイ渓谷から乗り合いタクシーで登山口まで移動することが可能です。

アイグエストルテスとは「曲りくねる水の流れ」という意味を持つそうでが、ボイ渓谷側からは公園の西側を歩くハイキングコースとなります。ハイキングの途中多くの小川に出会うことになるので、マイナスイオン効果も抜群ですね。ここの一番のハイキングルートはエスタニー・イオング湖を目指す往復型ルートで、片道1時間半~2時間ほど。これなら気軽に挑戦できそうだと思いませんか?

 

 

ボイ渓谷までの行き方

マドリード・バルセロナ・サラゴサから=>RENFEのAVEまたは特急列車にて、レイダ(LLEIDA)まで移動。その後バス(ALSA社)に乗り換えてEl Pont de Suertまで移動。El Pont de Suertからボイ渓谷までの距離は約22,50kmほどです。ここからボイ渓谷まではタクシーの利用となります。

また、夏の間だけ、公園の麓の村を一周するParc Busという公共交通機関のバスサービスが運行されています。今期はこの路線のバスのサービスがまだ公表されていませんが、このバスが2018年も運行されるとすれば、El Ponte de Suertからボイ渓谷(Pla de l’Ermita駅下車)方面のバスは一日2本あります。興味のある方は、2017年の時刻表をご参照ください。(時刻表、サービスの運行に関する情報の責任は、当ブログは一切負いません。)

2017年のParc Busの時刻表はこちらから。

 

アクセスポイント2.エスポット

アイグエストルテス・イ・レスタニー・ダ・サント・マウリシ国立公園のアクセスの中で、西側のボイ渓谷と同じくらいに人気があるのが公園東側(レスタニー・ダ・サン・マウリシ湖地域)のエスポット(Espot)。

アイグエストルテス・イ・レスタニー・ダ・サント・マウリシ国立公園には氷河期の湖が残っていると前述しましたが、その中で知名度が高く人気のサント・マウリシ湖までのハイキングがエスポット側から楽しめます。なお、国立公園内の車の移動は制限されていますが、乗り合いのジープ(四輪駆動車、いわゆる4×4型)のタクシーは、公園内の指定されたルートを、指定されたスポットまで往復しています。たとえば入山口(Prat de Pierró パーキング)からサント・マウリシ湖まではジープタクシーで登ることが許可されているので、タクシーで湖まで移動して、そこからさらに上へ伸びるルートを選んで良いですし、そこから下山口目指して下って行くのでもいいですね。ボイ渓谷から宿泊地-Espotまで、公園バスを利用して戻ることが夏場は可能です。(シーズンはかなり限定されているので、こういった計画をされる方は、しっかり事前調査をしておきましょう。)

夏場は、天候も比較的安定していますし、日照時間も長いので、サント・マウリシオ湖から国立公園のアイグエストルテス地域目指して、ボイ渓谷側へ下りるプランも可能です。

 

 

ピレネー山脈の氷河湖-サン・マウリシ湖 写真:by Jordi Marsol

ピレネー山脈の氷河湖-サン・マウリシ湖 写真:by Jordi Marsol

エスポットまでの行き方

マドリード・バルセロナ・サラゴサから=>RENFEのAVEまたは特急列車にて、レイダ(LLEIDA)へ移動。

レイダからバス(ALSA社)に乗り換えて、El Pont de Suertまで移動。El Pont de Suertからエスポットまでの距離は約49kmほどです。ここから最終目的地まではタクシーの利用となります。

また、ボイ渓谷同様、夏の間だけ、公園の麓の村を一周する前述のParc Busという公共交通機関のバスサービスが運行されています。このバスが利用できる場合、VielhaまたはEl Pont de SuertからEspotまでバスで移動できます。バスの新規の運行案内の確認は、Genelalitat de Catalunya(カタルーニャ自治州)オフィシャルウェブサイドのこのページを定期的に確認してみてください。昨年は6月半~9月までサービスがありました。

Genelalitat de Catalunyaのウェブサイトはこちらから。

 

 

 

アクセスポイント3.アラン渓谷

カタルーニャ・ピレネー地方の北側に位置する渓谷で、渓谷の中心はVielha(ビエリャまはたビエルハと表記される場合もあります)という街。ビエイラは標高974mにありますが、周りは2000m級の切り立った山々に囲まれています。カタルーニャ地方最大のスキー場(Baqueira Beretスキー場)があるため、今回紹介する3つのスポットの中で、一番宿泊設備やレストランが整ったアクセスポイントと言えるでしょう。また、渓谷とビエリャの街が織り成す美しさを楽しめる4☆パラドールもあるので、ハイキング&少し贅沢な滞在を求めている方は、パラドール拠点にハイキングプランを計画するのも素敵ですね。

 

 

 

アラン渓谷/ビエイラまでの行き方

バルセロナのNord駅またはレイダのバルターミナルからアラン渓谷の中心地ビエリャ行きの定期バス(ALSA社)が運行しています。バルセロナからの所要時間は5時間~6時間、出発便によってルートと所要時間が異なります。レイダからは2時間半となります。

マドリード・サラゴサからRENFEにてジェイダまで移動して、前述のバスにてビエリャまで移動することも可能です。

 

スペインの扉 1ポイントアドバイス

公共交通機関を乗り継いでピレネー山脈へハイキングをしに行きたいという方は、前後泊含めて2、3日は滞在する計画をたてられるのがいいですよ。計画より一日多く滞在を取っていれば、万が一の悪天候で山に登れなかったという場合のリベンジが可能かもしれません。高山の天気は一日に何度も変わるので、ハイキング開始の前には、ボイ渓谷にあるアイグエストルテス国立公園のインフォメーションセンター(Casa del Parc Nacional de Boi)または、エスポットにあるインフォメーションセンター(Casa del Parc Nacional de D’Espot)に立ち寄って、山の天気を確認しておくと安心ですね。また各センターで登山ガイドの手配も可能です。外国の山に少し不安を感じる場合は、エキスパートと一緒に入山したほうがやっぱりなにかと心強いかと思います。

また、山岳部のホテルでは、最低2泊以上の宿泊条件としているところもありますので、計画は早めに開始することをお奨めいたします。特に、7月、8月のハイシーズンの週末は大変な混雑が予想されますので、気に入った場所、ホテルが見つかった場合、ホテルだけでも先に抑えて、後の段取りを決めていくのも一つの方法です。

 

 

 

参照リンク:

  1. スペイン政府農林水産省 オフィシャルウェブサイト:リンクへのアクセスはこちらから。

スペイン語だけですが、全国国立自然公園のハイキングコース・ルートが細かく紹介されています。

2.記事トップ写真:Flickr / By Roberto Lazo

 

 

今日も最後まで読んでいただき有難うございました。

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