スペイン イベリア半島の音に浸る 自分だけの旅

by 土屋 寛子

スペインへの旅を決めたら、自分だけの旅のテーマをひとつ選んでみませんか。旅にテーマ性を持たせるとより旅の意義が深まり目的意識も高まりますよね。ここスペインには長い音楽の歴史と独自のスタイルがあり、世界的にその評価はとても高いようです。

今回はスペイン、イベリア半島の音に浸る自分だけの旅。旅のテーマを音楽に絞ってみました。

 

イベリア半島から生まれた音楽

広いイベリア半島を一度に回るのはかなりの時間を必要としますので、代表的な音楽家達の故郷に絞って3つの地域に区切ってみました。

 

パブロ・サラサーテの故郷 パンプローナ

首都マドリードからバスを乗り継いで約5時間強北東へ走ったところにある内陸の町パンプローナ。年に一度の牛追い祭り、サン・フェルミン。アメリカ人作家ヘミングウェイが度々滞在したゆかりの町。そしてサンティアゴ巡礼の村として有名ですがガイドブックにはあまり情報が載らずいたって地味な存在。だからこそ余計な期待はせず、情報はあまり持たずに訪れて。きっと純粋にパンプローナの魅力を楽しめること間違いありません。

 

パンプローナ旧市街にあるパブロ・サラサーテが生まれたことを記念する石版

パンプローナ旧市街にあるパブロ・サラサーテが生まれたことを記念する石版

 

そのパンプローナに生まれた19世紀の作曲家 パブロ・サラサーテ。

パンプローナ出身の演奏家かつ作曲家のサラサーテの名前は知らなくても、バイオリン曲“ツィゴイネルワイゼン”のメロディーを聴いたことない人はいないでしょう。力強く踊るような弦楽器のメロディーはスペイン文化の深層の一部をなすジブシー達が鳴らす音と踊りにインスパイアされたと言われています。

土産屋、ブティックが立ち並びとても賑やかな旧市街はぶらぶら散策をするのがとても楽しいですよ。

その中心、マヨール通りにパブロ・サラサーテ博物館があります。

入場は無料。幼少の時から天才児と呼ばれた音楽家の歴史をじっくりを辿ることができますので是非時間を惜しまずに訪れてみてはいかがでしょうか。

開館時間:(2015年2月現在の情報です)

9月1日~6月30日:火曜日~土曜日 1100-1400hrs/1800-2100hrs

7月1日~8月31日:月曜日~金曜日 1100/1400hrs/1800-2100hrs

12月24日、31日、1月5日:1100-1400hrs

12月25日、1月6日:固定休館日

 

 音楽の都 カタルーニャ

カタルーニャを訪ねるにあたっては2人の巨匠の名が浮かびます。

20世紀最大のチェリスト、弦楽器の巨匠パブロ・カザルス世界3大テノール歌手の一人ホセ・カレーラス

パブロ・カザルスはNHKが大好きな音楽家で何度も番組で彼のことが取り上げられたことを記憶しています。音楽家、チェロ演奏家としての業績に加え、反戦家、反ファシズムの姿勢を貫き通した彼の人間性がきっと多くの人を魅了するのでしょうか。故郷の伝統民謡“鳥の歌”を世界に広め、演奏を通じて平和を訴え続けたことはあまりに有名です。

一方のカタルーニャ出身のもう一人の巨匠、3大テノール歌手の一人、ホセ・カレーラスはプラシド・ドミンゴとパバロッティと並んで世界を魅了してきました。二人のスペイン出身テノール達が外交官となり、クラッシック音楽界上にスペインの名声を広げてきたのは間違いありません。

氏の生の歌声を聴くチャンスは今後もう相当難しいかもしれませんが、スペイン産オペラはバルセロナ市のリセウ劇場カタルーニャ音楽堂などで開催されるオペラコンサートで堪能することができます。旅の予定とうまく合えばそれぞれの公式webから簡単にチケットが入手できますので、旅の目的のひとつに是非音楽鑑賞を加えてみてはいかがですか。

ちなみにホセ・カレーラス氏の後任者としては氏の甥っ子にあたる若手テノール歌手セルジ・ゴメス・カレーラス氏が活躍中。今後の世界での活躍もとても気になるところで、ますますスペインクラシック音楽の動向から目が離せなくなりそうです。

 

フラメンコの真髄を感じたいなら アンダルシアへ

 

グラナダ エンリケ・モレンテの生家

グラナダ エンリケ・モレンテの生家

 

スペインの代名詞ともいえるフラメンコを世界に伝えたのは言うまでもなくフラメンコギターの巨匠パコ・デ・ルシア。並んでフラメンコ カンタオールの天才異端児カマロン・デ・ラ・イスラの名もやはりここで述べるのに値します。

アンダルシアにはあちこちに点在している二人にちなむ町を訪ねて歩くフラメンコルートと呼ばれるものがいくつかあります。観光客相手ではなく、ショーでもないフラメンコの真髄を感じたいなら、団体旅行ではなくやはり自分だけの旅を計画しなくてはなりません。

フラメンコルートを辿るならアンダルシアの空のゲートマラガ空港から旅を始めるのがもっとも効率的です。そこからは都市間を結ぶ長距離バスの利用をお奨めします。フラメンコルートから外せないカディス、ヘレス・デ・ラ・フロンテラ、セビリア、コルドバ、グラナダなど効率よくめぐる事ができますよ。それぞれの町でタブラオを訪れて比較を楽しむのも面白いですね。

マラガからの距離バスタイムテーブルと目的地の情報はこちらから。

音楽に何を求めるかは聞く人それぞれなので、旅先でどんな音の歴史を訪ね、実際に音を聞いてみたいのか、その回答も千差万別。自分だけの旅の行程を作るためのヒントになればうれしいです。

 

 

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最後まで読んでいただき有難うございました。

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2 コメント

  1. Kumi Nagano

    いつも楽しく拝読させてもらっています。道の説明とかレストランの情報は、現地に居る人じゃないと書けない詳しさで、スペインへ旅行される方にはかなり重宝されると思います。たくさんのフォロワーに読んで戴けるといいですね。これからも頑張ってスペインの情報を書いてくださいね。

    返信する
    • TsuchiyaHiroko

      Kumi Nagano様。温かいコメント有難うございます!いただいたコメントとても励みになりました。すこしでも多くの人にそう思っていただけるような内容になるよう心をこめて一本一本書いていきたいと思っていますので、今後もよろしくお願いしますね。

      返信する

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