みなさま、こんにちは。マドリードは真冬、朝晩0度前後となり、コシードがとっても恋しくなる季節。じっくり弱火でことことと煮出した暖かいスープは滋養も高く、体の芯から温まります。筆者は長いスペイン生活の間に、最初に食べたおふくろさんのコシードからあちこちのレストランでコシードを食べるチャンスがありました。どのコシードも作り手のこだわりがきちんと味にでて、とても正直な料理だなとその都度感心するものです。コシードが有名な地方に行くと必ず数件有名な専門店があるものですが、コシードは代表的なスペインの家庭料理でもあるのですよ。もちろん筆者も冬は2週間に一度はコシードを作るコシード大好きになりました。そんな家庭料理のコシードを一度ご家庭で挑戦していただきたく、今回は作り方をご紹介します。あくまでもスペインの扉流なので、他にも色々なレシピがありますけれど、何度もトライしているうちに、自分らしい作り方、コツ、流れができてくるというもの。まずは一度チャンレジしてみてくだね!
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スペインの扉流 コシードレシピ
【調理器具】
- 圧力鍋で作るのが一般的です。なければ大きめのお鍋でも時間は倍以上かかりますがきちんとできます。
- 濾し器
- スープ鍋
- フライパン
【材料 (大人4~5人分)】
1.乾燥ひよこ豆 200g(前日の夜から圧力鍋に豆を空けて3リットルほどの水で浸して置きます。)
2.肉類
- 骨付き豚ばら肉 200g
- 鶏肉手羽先2本
- 塩漬けラード 50g
- 煮こみ用チョリソ2本
- 牛肉ばら塊 200g
- 生ハムの骨200g
3.野菜類
- にんじん1本 :皮を剥いてぶつ切りにしておきます。
- じゃがいも :大2個:皮を剥いて4等分にきっておきます。
- 大根5~6cm :皮を剥いてぶつ切りにしておきます。
- 白ネギ 1本 :きれいに洗ってぶつ切りにしておきます。
- セロリ 1本 :きれいに洗っておきます。
- キャベツ 1/4玉 :きれいに洗っておきます。
4.にんにく :ひとかけ。スライスにしておきます。
5.パプリカパウダー
6.スープ用ショートパスタ 50~60gm(なければ冷米茶碗1杯ほど)
7.塩適量(天然のおいしいお塩で作ってくださいね。味がまろやかになります。)
8.エキストラバージンオイル
【下準備】
まずはひよこ豆だけ炊きます。前の日から水に浸しておいたひよこ豆の水を変えず、圧力鍋の蓋をしっかり閉めて強火にかけます。このときの水の量が膨らんだひよこ豆の5倍くらいあるように注意してください。鍋がぴーっと鳴り始めたら火を中の弱ぐらいにしてじっくり1時間~1時間半煮ます。
時間がたったら火からおろします。蓋が開けらられるまで放置して待つか、流し場で流水を蓋の上からしばらく流して全体を冷ましてから蓋を開けます。(火傷しないように注意してくださいね。)理想的なやわらかさはひよこ豆が舌で軽く抑えるだけでつぶせるくらいですが、豆のやわらかさは豆の種類にもよるのでどれだけ煮ても時々そんなにやわらかくならないものにもあたったりします。
【いよいよコシードを作ります】
1.蓋を開けた鍋の中にチョリソ、じゃがいも、キャベツ以外の2と3の材料を全部入れます。水を1リットルほど追加して蓋をして再び火にかけます。沸騰したら火を弱めて1時間ほど煮ます。
最初のうちの何年かは、最初は豆と肉類だけで30分くらい。その後肉とスープを取り分け、水を新たにひたひたほど入れて今度は野菜と豆だけという作り方をしていたのですが、恐ろしく手間がかかるので、最近は全部一度に1時間ほど、というずぼらな方法に落ち着いてしまいました。それでも十分おいしいので、まぁよしとしています。
2.この間別の鍋に湯を沸騰させ、取り分けたチョリソ、ジャガイモ、キャベツの調理をします。ジャガイモ+キャベツ(やわらかくなるまで)=>チョリソの順で別茹でします。チョリソは茹でる前に爪楊枝で小さな穴を数箇所開けておくと、茹でている間に余計な脂分がチョリソから出て。食べるときの触感が固めになるようにするのが私の好みです。
3.ひよこ豆を肉・野菜類と一緒に1時間ほど煮たら一度火を止め、下準備の要領で蓋を開けます。この段階で一度肉類の灰汁を取り除きます。出汁の塩加減を見てください。肉類からほどよい塩味がでてきていますが、豆にもう少し深い味を染み込ませるために少しここで別茹でしておいたチョリソと塩を加えて10分ほど煮込みます。
4.フライパンにオリーブオイルを中火で熱し、スライスしたにんにくと別茹でてしておいたキャベツと塩少々を加え、キャベツと油がしっかりなじむまでじっくり炒めます。決して焦がさないように。キャベツに油がしっかり回ったら火を止める直前に小さじ一杯のパプリカパウダーを降り掛けよく混ぜ火を止めます。パプリカパウダーは炒めすぎると焦げて苦みがでるので注意してください。
【スープを作ります】
1.出汁の表面に浮いてきた油分や灰汁を丁寧に取り除いたら、濾し器でスープだけ別のなべに濾しながら移します。
今回の材料で1リットル半ほどの出汁がとれました。一度にすべて食べない場合はスープは別保存してください。冷蔵保存で2~3日、冷凍保存では2週間ほど持ちますよ。ちなみに我が家では最低2食分のスープがとれる分量で作ります。
2.鍋を新たに火をかけて、沸騰したら火を弱火にしてスープ用ショートパスタをいれてやわらかくなるまで煮ます。 ショートパスタがない場合は炊き上がった白米でも代用できます。
3.最後に塩加減を調整して完成です。
【コシードを盛り付けます】
肉、野菜類は大きめの厚手のお皿に盛り合わせます。別湯でしておいたチョリソは1センチほどに切り分けてお肉と一緒に盛り付けます。ひよこ豆は別の大なべに盛り食べる直前に各自で好きな量をよそってオリーブオイルをかけて食べるのが主流です。バージンオイルだとオリーブの香りが熱い豆に混ざったときにいい香りがふわっと鼻まで上がってくるので、あぁ贅沢だなぁという気分になってさらに豪勢な気分が味わえます。明るい緑色で薫り香りのよい生食用のバージンオイルがない場合は、かけない方がたぶん日本の方には向いていると思います。
1ポイントアドバイス
- カロリーが高くおなかも膨らむので、是非ここはスペイン流に、日曜日の贅沢ランチとしてチャレンジしてみてくださいね!!
- 肉類の代用品
一度も食べたことのない料理を作るときって、いったいどんな味だったらおいしいんだろうって思いますよね。コシードは豆からでる甘い深い味に、塩加減を適度に効いた具合が理想的。
肉類は近くにお肉屋さんがあると似たようなものが手に入ることがあるのかと思います。たとえば豚足とか牛肉の骨とか。ラードの変わりは脂身の多いベーコンの塊が理想的ですね。生ハムの骨はさすがにないかな・・・これはあくまでスープ用なので、(高いですが)生ハム100gぐらいを小さめに切って入れてもよいですし、なくてもおいしくできます。ですからこれがないからできない、と作るのをあきらめてしまうよりは、「肉系」の出汁をとるには何がいいかな、と作り手の好みと手に入る材料で作って楽しんでみてください。スペインには生ハムが食文化にあって、その骨を捨てるのはもったいないので出汁をとるのに使っているというだけなのです。だからなければ鶏肉の太もも一本でもいいんですよ。我が家でも生ハムを入れないときは骨付きの鳥モモ肉を入れてスープの味が毎回ことなるのを楽しんでいます。
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