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スペイン新幹線AVE カステジョンまで11年遅れてようやく開通!
というニュースが去る2018年1月18日に発表されました。カステジョンってどこ?きっと多くの方が思われるでしょう。日本人でスペインへ旅行したいと思っている多くの人が、文化遺産を見てみたい、レベルの高いスペイン料理を本場で試して見たい、ガウディのサグラダ・ファミリアや世界遺産のアルハンブラ宮殿を見てみたい。そう思っていらっしゃるでしょう。だからカステジョンの地名は日本のガイドブックやネットで検索してもあまり具体的な結果は見当たりません。
でもね、興味を持って少しだけこの地方のことを知ってみると、意外にこのニュースが日本人観光客にとってもうれしいことかも知れないのです。今回のスペインの扉では、そのカステジョンに少しだけ近づいてみたいと思います。
カステジョンはこんなところ
おなじみウィキペディアにも日本語の解説がありますので、以下そのまま一部引用させていただきましょう。
カステリョン県の県都はカステリョン・デ・ラ・プラナである。人口の約60%がカステリョン・デ・ラ・プラナ都市圏に、85%が地中海沿岸部に住んでいる。2012年の人口は604,564人だった[1]。カステリョン県は135のムニシピオ(基礎自治体)で構成されている。県都カステリョン・デ・ラ・プラナ以外の主要な自治体には、ヴィラ=レアル、ブリアーナ/ボリアーナ、ラ・ヴァル・ドゥイショー、ヴィナロスなどがある。
南はバレンシア県に、西はアラゴン州テルエル県に、北はカタルーニャ州タラゴナ県と接しており、東は地中海である[2]。県西部にはイベリコ山系が広がっている。カステリョン県の沖合49kmにはコルンブレテス諸島があり、この諸島はカステリョン・デ・ラ・プラナの自治体域に属している。
地中海に面する地方、県はスペイン国内にいくつかありますが、そのうちバレンシア自治州の3県の一つがこのカステジョン県。首都マドリードから南東425km、バルセロナから南西300km。バレンシア地方の州都バレンシアからは北に75kmと、スペインの大きな首都を結ぶように位置しているため、特にスペイン人の夏のバケーション地として大変賑わっています。この地方の海岸線一体はコスタ・アサールと呼ばれ、年中比較的温暖な(といっても先月この地方の内陸・山岳部では大雪が降りましたが、)地中海気候であるため、比較的何時訪れても明るく楽しい滞在が可能な土地です。
RENFEのウェブサイトで早速この二つの都市間の電車を調べてみました。
結果、値段にも所要時間にも随分幅があることが分かります。
①の列車が今回発表となったAVE利用パターン。一番安いツーリストクラスで80,70€(片道)で、マドリードを出発してからバレンシアで一度停車するだけで、その後はカステジョンまで乗り換え無しでいけます。一方のパターン②はバレンシアまでAVE利用、バレンシアでMD(Media Distancia)という特急列車に乗り換えです(以下の写真①、②、③参照))。所要時間も1時間半以上長くなりますが、その分料金も3分の1以下の23,35€(プロモーション料金、つまり格安)となっています。
つまり、ニュースにある、「AVE カステジョンまで開通」というのは、マドリードからバレンシア経由、カステジョンの県庁所在地-カステジョン・デ・ラ・プラナまでようやく乗り換えなしでいけるようになった、ということですね。
地中海に浮かぶ街-ペニスコラ

ペニスコラ。 写真 :©Turismo de Castellon
少し話が外れますが、一年ほど前に、仕事の関係上、カスティージャ・イ・レオン地方のブルゴス県にある、Caleruega(カレルエガ)という村へ招待され訪問したことがあります。この村はスペイン国内で整備されているエル・シド街道に組み入れらている街で、エル・シドの騎馬像が新たに建てられたので、その杮落としのセレモニーに参列するのが一つの目的でした。
その訪問をきっかけに、(とても遅ればせながらですが)エル・シドに新たに興味を持ち、映画『エル・シド』を見てみました。この映画がまたすばらしく、記事一本書くのに値するのですが、今回はエル・シドは置いておいて…この映画の撮影舞台のほとんどがここ、カステジョンにあるペニスコラという海辺の町で行われたという流れにもって行きたかったのです。
そういった分けで、地中海地方のカステジョンには前述したとおり多くのビーチリゾートがあるのですが、中でもとても絵になる街、ペニスコラについて触れておきたいと思います。
1961年に撮影された『エル・シド』。その中にどーんと出てくる大きなお城があります。この城をバックに、チャールトン・ヘストンが馬に跨り疾走するシーン、猛烈にエピックなシーン。誰が見ても何時見ても驚愕する、圧巻ものですが、さて、物語の中ではそこはバレンシアという設定。でも撮影場所に選ばれたのはペニスコラ城でした。
ペニスコラは決して大きな町ではないのですが、古くから港町として栄えていたようで、イベリア人、フェニキア人、ローマ人、カルタゴ人、ギリシャ人などが出入りしてきた歴史ある街でもあります。その街の象徴のように、ペニスコラ城が君臨しています。
文字通り地中海にぽっかりと浮かんでいる小さなお城。海に突出した小さな半島に建てられた13世紀のお城は、ほんのわずかな土地で本島に繋がっているので、バレンシアのジブラルと呼ばれることもありますが、筆者からするとさながらスペインのモン・サン・ミッシェルという感じ。満ち潮で見え隠れするという神秘な余興はありませんが、『エル・シド』以降、スペイン映画もいくつかここを舞台に撮影されていますし、2015年には世界中で大ブームとなったTVシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』の撮影もされましたので、それだけ絵になるところなんですね。
そんな素敵なペニスコラへはカステジョン・デ・ラ・プラナからRENFEの近郊列車にて50分ほどで行くことができます。次のスペイン旅行には、カステジョン-ペニスコラ城を見学することを旅の目的の一つにしてみてはいかが?ペニスコラ城内部はもちろん見学が可能ですが、お城といえどもその役割は要塞なので、華やかなものではありません。でもきっと、ここの見張りの塔に上がって、地中海を見渡したとき、あぁ着て良かったな~と思えると思います。
ペニスコラ城 正式ウェブサイトはこちらからどうぞ。(スペイン語のみ)
開館時間:以下の休館日を除き年中見学が可能です。
- 1月1日、6日
- 9月7、8,9日
- 10月9日
- 12月25日

地中海に浮かぶペニスコラ城。写真:© Castillo de Peñiscola
スペインの扉の1ポイントアドバイス♪
夏場、7月、8月は夏休み真っ盛り。ホテルもレストランも大変込み合うので、この時期は避けたほうがいいかもしれませんが、もしも真夏のスペインでビーチも楽しむんだ!という方は早めに宿は押さえていきましょう。あ、ちなみに、ペニスコラのビーチにはヌーディストビーチがたくさんありますから、ちょっとそうゆうの苦手、、、という方はビーチへ掛けていく前に、周辺の看板をよ~く見からビーチに向かいましょうね。
ペニスコラのホテルをチェック!
テーマはスペインに見る地中海地方文化。こんな旅は如何ですか?
- 日目 マドリード=>AVEにてバレンシアに移動。バレンシアに1,2泊して、世界遺産のロンハや大聖堂内宝物殿にあるご聖杯を拝み、本場バレンシアにてパエージャ、オルチャータ、絞りたてオレンジジュースに舌鼓。
- 日目 バレンシア滞在
- 日目列車でペニスコラへ移動。ペニスコラで迷路のような城壁周辺散策、場内見学、塔から地中海を眺めた後は、シーフード料理を。この日はペニスコラに宿泊。
- 日目 列車にて、トルトサ乗り継ぎ、タラゴナへ。タラゴナに一泊して、ローマ遺跡を地中海を満喫。
- 日目 列車にてバルセロナへ。
スペイン旅行のご相談、手配はVitalspainの丸投げオーダーメイドプランで。
今日も最後まで読んでいただき有難うございました。
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