満足するスペインでのスペイン語学留学を実現させるためのコツ

by 土屋 寛子

セルバンテス著 長編小説 ドンキホーテ冒頭。マドリードの道にて。

近い将来スペインへ留学したいなぁなんて漠然と考えられている方。筆者の経験が少しでもそんな読者の皆様のスペイン語学留学の滞在地地選びのお役に立てたらという思いがいつもありました。今回はスペイン留学経験者(遊学とも言う?)でもあり、スペイン語学習歴20年以上の筆者(月日だけが勝手に流れたかも?)が、満足するスペイン留学”について書いてみたいと思います。

 

満足するスペイン語学留学を実現するために

1.スペイン語留学の目的を明瞭に

まずは一言で語学留学と言っても、現在学生なのか、社会人なのか、大学で学位をすでにとっている人なのかなどについても見直してみると、理想的な留学地って考える人によってきっと大きく変わってくると思うのです。

 

留学中も自分の生活=人生の大切な時間-。

 

その大切な時間を管理するのは自分自身。あなたはどういったタイプの時間管理者ですか?きちんとそれを意識しているのと意識していないのとでは、留学中は案外時間を有効に使えずにあっという間に日々が過ぎてしまうものです。

2.滞在先を考えながらイメージトレーニングを

まじめにこつこつ勉強一筋派?

学校で過ごす以外の自由時間は何をしよう?

  • 異文化の学生と一緒に若者らしくエネルギーを発散するナイトライフやレジャーの提案がたくさんある都会がいい
  • 絵に描いたような明るい太陽と海の側で楽しく過ごしたい
  • ビーチがある場所が絶対にいい
  • ハイキングやサイクリングが楽しめる地方がいい
  • 長い歴史のある街を時間の取れる度にひとつずつ見学していきたい
  • スペイン語学習以外のスキル-フラメンコ、料理、工芸、写真などのレッスンを受けて知識を深めたい
  • 別の街にも積極的に旅行に出かけたい
  • ぶらぶら街歩き、散歩が安全で気持ちよくできる落ち着いた場所がいい
  • ワインが好きだからついでにワイン造りの世界に触れてみたい

 

などなど。案外多くの要素を考慮したうえで決めないと、せっかくのエネルギーと時間と、さらにお金を掛けての留学も、100%の満足感が得られないかもしれません。滞在先を決める前に、まずは自分自身がどうゆうタイプの生活環境や人間関係を好み、どの程度のレベルアップを目指しているのか、どれくらいスペイン語に浸りたいのかなどをじっくり考える必要がありそうです。

賑やかなバルセロナ市の人気スポット-ラ・ランブラス通り。

賑やかなバルセロナ市の人気スポット-ラ・ランブラス通り。

 

外国に身を置くということは、知らなかった自分を知る、新しい自分の能力を発掘するチャンスでもあるのです。何もかもが慣れ親しんだ環境と異なる場所では、どれだけ準備していても驚くことがたくさん!だからイメージトレーニングを準備の段階から多くしていると、実際に現地でサープライズにであってもあまりあわてずに対処できたり楽しめたりするものですね。

 

 

3.留学プランを色々比較しましょう

筆者が留学したのは二十歳のとき。海外旅行も行ったこともなく、旅行経験も皆無、飛行機にだって乗ったことがありませんでした。当時はインターネットなんてまだ普及しておらず、現地や学校に関する情報も本や雑誌のみ。現地の学校とのやり取りもファックスだった時代。今よりずっと情報量が少なかったのです。留学に関する本だってそんなにありませんでした。少ない世間からの情報と大学の2年間である程度得たスペインに関する事前知識を駆使して出した私の結論は、

スペインの夏が暑いなら涼しい避暑地みたいなところがいいな。

スペインは太陽の国。情熱の国、暑い国・・・そんなイメージで頭は一杯でした。実際のところスペインの夏は、暑いですが湿度が低い分、ずっと日本よりすごしやすいということは暮らしてみて分かったことで、今では日本に夏には帰りたくないという気持ちになっています。

さて、そんな二十歳の世間知らずの筆者の留学プランは次のようなものでした。

7月最終週   伊丹空港発 シンガポールエライン シンガポールにて一泊。翌日マドリード着
お昼過ぎに到着。1週間マドリードとサラゴサに滞在。
8月      ウエスカ-ハカ/サラゴサ大学のサマーコースに参加-1ヶ月
9月 前半   サラゴサの知人宅にて2週間滞在
9月 後半~12月クリスマス前まで トレドの教育センターにて集中講義 -3ヶ月
12月大晦日~1月 年末年始 サラゴサの知人宅にて2週間滞在
1月      サラマンカのプライベートの学校でビジネススペイン語講座受講-1ヶ月

 

resijaca

.写真:サラゴサ大学より。ハカの学生寮の写真  https://cursosextraordinarios.unizar.es/sede-curso/jaca

 

筆者のプランはこのようなものでしたが、最初にお話しした通り、ご自身の目的、背景、正確によってぴったりあうプランは一つではないはずです。どうせ行くなら決められない~~というくらいにまずはたくさんプランを見比べてみるとよいですよ。

 

滞在先と学校を選ぶ時の5つポイント

ウエスカ-ハカは観光光地でもなく、正直日本人にはほとんど知られていない場所ですが、そのときここを選んだ理由を具体的に思い出してみると、

  • 国立大学主催の外国人対象スペイン語コースであり、教授も大学教授による本格な的内容であったこと(高いレベル)
  • 気候的に真夏でも朝晩が涼しいという情報があったこと(優れた環境)
  • 大学の寮に滞在。食事もすべてついていて、プールもあったこと(優れた環境)
  • 授業のレベルも満足いきそうなレベルであったこと(高いレベル)
  • 同じ大学の友人もこのコースに参加することを決めていたこと(大きな安心感)
  • 日本人だけでなく他の国からの学生達との寮生活で、少しでもスペイン語で会話をする時間が長い環境に居られること(高い国際度)
  • 治安がよさそうな街であったこと(抜群にうよい治安)
  • 期間的にも参加しやかったこと(スケジュール)

などを記憶しています。私の場合、大学でイスパニア語を専攻していたので、この段階ですでにスペイン語の文法はほぼすべて学んでいました。また、9月から3ヶ月弱、在籍大学が提携していたトレドの私立の教育機関に入学することも決定していたので、そちらの授業を受ける前に少しでも会話力、聞き取りの力を付けておきたかった、という目標もありました。こうして見直してみると、私にとって重要だったポイントは上記で上げた環境、安心感、治安、レベル、学校のスケジュールの5ポイントです。

個人的に留学計画の結果は、大正解!夏休み気分を味わいつつも、しっかり勉強する環境でもあったからです。

 

コースの開始初日にはレベル分け試験があり、フランス、ドイツ、イタリア、日本、などから来た学生皆同じ試験を受けます。文法の理解レベルは隣国欧州からきた学生より高かったのに、いざ会話、ディベートとなると、俄然欧州の学生は積極的ですぐに話せるようになり、自分は思うように発言できるようにならない。そんな数週間を過ごしてとても悔しい思いをしたのも覚えています。でもその悔しさが9月以降のもっとレベルの高い集中講義の3ヶ月を乗り越える肥やしになりました。

 

留学中に少しでも会話力をアップさせるコツ

“とにかく話せるようになりたい。” 私の会話力をアップさせたのは自分の中で芽生えたこの一心でした。

残りの留学生活は「話せ、交われ、参加しろ」と自分に言い聞かせながら過ごしました。だからその悔しさがハカで過ごした時期の一番の収穫だったと思います。

私の場合、外国語大学在籍だったので、卒業した時に話せない、使い物にならないようでは4年間は無に等しい、大学を出ていないに等しいという意識は常にありました。だから(自己評価では)留学期間中も日本の大学在学中もかなりまじめに勉強はしたと思います。 だから悔しい思いも一途に学力アップのエネルギーに消化し、その後自由時間はとにかく地元の人と積極的に交流するように努めました。

 

サラゴサのピラール寺院前の広場

サラゴサのピラール寺院前の広場

 

語学留学でしか得られない最大のメリット

話せるようになるには、話している人のまねをすればいい

そんな持論もあったので、とにかく生のスペイン語の会話/フレーズを聞いて頭に蓄積-インプットしていく。そしてそれを自分のものにするにはアウトプットする。その繰り返しです。日本ではできない生のスペイン語の会話のインプット・アウトプットが日々実践できること。それこそ留学する最大のメリットと価値ではないでしょうか。それは話せるようになった今でもまったく同じです。これをしていないと住んでいてもすぐに語学力は下がります(笑)。ですから今でも時々、テレビのニュースや映画を見ながら、気になるフレーズがあったりすると一人で口の中でぶつぶつ繰り返し言っています。

そんなとき、小さな村や街はいいですね。一定の人付き合いがしやすくて、短期の留学であっても顔をすぐに覚えてもらって、ちょっとした買い物でも言葉をかけてもらったり、週末に遊びに行くにしても、行き先に同じ顔ぶれが集まっていて、割とすぐにおしゃべりの仲間に入れてもらえたりして。もちろん都会でも行動パターン、出没範囲を一定にすればこういった触れ合いはそのうち生まれてきますが、都会の若者よりちょっとした田舎の若者のほうが、経験値的には優しくて、とっつきやすいな、と私は思っています。

これが社会人となると、もっと人との触れ合いが難しくなる。クラブやディスコ、パーティーに出向いて、勢いで人に話しかける、しゃべるという大胆な人付き合いはよほど積極的に誘いを受けていかない限り自然と減ってきますし、自分自身の積極性もダウンしていきますからね。こちらの人たちだって交流範囲は年齢とともに自然と狭まっていきます。新しい仲間を探すというよりは、いつも朝食をとる近所のバルの仲間であったり、退職者限定の市民カルチャーセンターの仲間の集まりであったり。社会人だとすでに出来上がっている「輪」の中に入れてもらうような形になるので、余計に難しい。だから留学する学校にどれだけ「自由時間」を有効に使える提案、プランが準備してあるかといったことは、社会人にとっては学生以上に大きなポイントになってくると思うのです。

退職すると同時に外国語をカルチャーセンターや市民講座で学び始める方もたくさんいらっしゃると思いますが、そういったことも前提に、留学期間のイメージトレーニングをしてみるのもきっととても役に立つとおもいます。

留学中に毎日眺めていた美しいトレド旧市街の眺め教育センターの憩いの場から見える景色。

滞在先のトレド教育センターからはこの景色を毎日休憩がてら眺めていました。なんという贅沢~。

 

 

今日も最後まで読んでいただき有難うございました。

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