こんにちは!スペイン内陸のマドリードは2月にはいってようやく寒さが本格的になって来ました。街を歩いて体が冷えてしまった午後、ここ数年スペインで隠れた人気の飲み物を楽しめるとしたら、試してみたいと思いませんか?今回のスペインの扉は寒い時期にスペインへ来られたら是非試していただきたい温かいコーヒーのお話です。
幸福を長持ちさせるコーヒー カラヒージョ
マドリードの下町-Lavapies地区にあるアストゥリア料理専門店にてわいわいとおしゃべりをしながら延々と立ち食い、立ち飲みの午後。Lavapies地区には気取らないけど、ガツンと本物の味を安い値段で提供してくれる料理屋やバルがたくさんあって、バルのはしごをするには最適の場所なので、スペイン人の友人と集まるときは筆者もよく来きます。おいしいお料理をたくさんいただいた後、「じゃぁコーヒーとかデザートを頼もうか」となった時、友人の一人が「僕はカラヒージョ。おいしいものを食べた後は、最近は決まってカラヒージョを頼むことにしているんだよ。なんていうか、幸せが長持ちするっていう感じが堪らないんだよね。」と言いました。

© KOKONITASTUDIO オーナーである友人のホアキンと食後のカラヒージョ。
かねてからカラヒージョについてブログで紹介したいな、と思っていただけに、この友人の言葉を聞いてうれしくなって思わず抱きついてしまいました。だって、やっぱりうわさは本当だったのです。
カラヒージョのブームがヒットした仕掛けとは
スペイン人は意外に味には保守的なことで知られています。スペインの若者が好んで飲むアルコールはもっぱらキューバリブレ(スペイン語=クバタ/cutaba)、モヒート、ビール、ワインなどがほとんどで、ウィスキーやブランディー、コニャックなどの強いアルコール類などはあまり定着しませんでした。
そこで数年前にスペインの老舗ブランディーメーカーが若い世代にブランディー文化を広めることを目的に“カラヒージョ・ルート”を作ろう計画したそうです。スペイン全国のカフェ、バルのオーナーたちに呼びかけたところ、マドリード、バレンシア、ラ コルーニャ、ジローナ、ムルシアなどの都市から多くのオーナーたちが賛同。なんとその数総勢230軒以上のカフェ、バルにてカラヒージョが低価格で楽しめるという企画が実現しました。若者が集まる人気店で、低価格でかつおしゃれなグラスやカップでサーブ。おまけに+@の懸賞まで当たるとなれば試さない理由はないですよね。
この仕掛けが少しずつ定着し、カラヒージョが若者の集まるカフェやバールの冬の人気ドリンクに生まれ変わろうとしています。おじいさんのおじいさんたちが昔から好んで飲んでいたカラヒージョが若者の間で定着すれば、ブランディーブームが巻き起こるのも時間の問題かもしれません。
カラヒージョってどんな飲み物?!
カラヒージョ(carajillo)とはスペイン起源のカクテルで、エスプレッソコーヒーに、ブランディーと砂糖、レモンの皮をミックスさせた液体をブレンドし、最後にシナモンスティックを添えた飲み物です。こうして材料だけを見ると随分モダンでおしゃれな感じがしますが、実はスペイン食文化の中でもかなりレトロな飲み物なのです。氷をたくさん入れて冷たい夏のカクテルとしても飲まれますが、温かいコーヒーの一種として飲むのが一般的です。
カラヒージョの歴史
最近のバルやカフェでサービスされるカラヒージョはおしゃれな耐熱ガラスのグラスでサーブされ、洗練されたイメージも定着してきました。でもこのモダンなイメージが定着してきたのもここ最近で、ちょっと前までは、「カラヒージョ=おじいさんの飲むコーヒー」というイメージでだったのです。
もともとは19世紀末のキューバ独立戦争時代、スペイン人兵士たちが士気を高めるためにキューバーのコーヒーにブランディーを混ぜて飲んでいたものだったといわれています。それが本土スペインに引き上げてきたスペイン人達により継承され、やがてスペインの文化人達の間で愛されながら少しづつ変化を続け現代のようなおしゃれな飲み物になっていったと言われています。
飲んでみたいけどそんなすぐにスペインにいけないな~、という読者の皆さん。ご心配なく!週末の午後に自宅で試していただけるようにレシピもご紹介しちゃいます。
カラヒージョのレシピ
**用意するもの**
深めのカップ(耐熱性のあるものを選びましょう。)
ブランディー :お好みの量
グラニュー糖 :お好みの量でティースプーン1~2杯
コーヒー豆 :お好みで数粒
エスプレッソコーヒー :エスプレッソカップ一杯分
きれいに洗ったレモン
シナモンスティック
*** 作り方 ***
1.用意したカップにブランディー、砂糖、コーヒー豆をいれ、レモンの皮を適量すりおろして加えます。
2.1の材料をよく混ぜ合わせたらカップの上部にライターの火を近づけてアルコール分を火で加熱して飛ばします。
(やけどしないようにご注意ください。)
3.火が消えたらエスプレッソコーヒーを加えて混ぜます。
4.カップにシナモンスティックを添えて出来上がり!
是非ホームパーティやイベントで試してみてくださいね。
濃度を濃くしてアイスクリームにかけたり、いつものベークドチーズケーキにかけて変化をつけてみたり、またはカラヒージョフレーバーのアイスクリームやムース、マカロンにサンドするクリームにしたりプラリネにしたり・・・。スペインのお料理研究家の間でもカラヒージョフレーバーのスイーツを提案する人も増えいます。オリジナルのカラヒージョの楽しみ方を発見するのも楽しいですね。
今日も最後まで読んでいただき有難うございました。
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宮下様
はじめまして、こんにちは!記事を読んでいただいてありがとうございます。うれしいですね~、仲間が居るってわかること。
この飲み物の生まれた背景にロマンを感じて紹介したいなあと思って書いたのですが、ほっこり温まる、今も昔も
変わらない、幸福度アップ効果。是非広めてくださいな。