スペイン語の音楽をスペイン語を勉強している人達には勉強の1つの手段として。スペイン語の音をまったく知らない人達にはスペイン語の音楽をもっと知ってもらって好きになって貰いたい。そんな趣旨でジャンル様々なアーティストをご紹介していっています。
今回はスペインはもちろん、スペイン語圏国で知らない人はいないのではないかというほどの大スター、Coque Mallaをご紹介します♪
本名:Jorge Malla Valle (1969年生まれ、マドリード出身)
70代前後、マドリード生まれ。これはスペインの音楽・芸能事情にとっては一つの「印」のようなもの。スペインはご存知1975年まで独裁政治体制下でした。フランコ将軍の死後、独裁政治体制が倒れ、王政復活、そしてデモクラシーの開花と共に、1970年後半から80年半ば頃まで、首都マドリードではMovida madrileña (モビダ・マドリレーニャ)と呼ばれるムーブメントが若者の間で起こりました。
モビダとはこれまでの独裁政治により出来上がってしまった押し付け文化、教育、思想、概念に徹底的に歯向かう姿勢、破壊して新しいものを生み出そうとする動きでした。今でこそ世界的有名人となりましたが、映画監督のペドロ・アルモドバルはモビダの洗礼を受けた有名人の一人です。
独裁体制崩壊後のモビダの時代、ラジオでは毎日新しい音楽が紹介され、テレビでは歌番組が人気を集め、斬新なアイディアや思想について語る文化雑誌が多く出版されました。コケはまだフランコ将軍が生きていた時代に生まれ、あらゆる生活面、精神面で規制があった時代に幼少期を過ごし、多感な10代にモビダがもたらした「開放感」を全身で受け止めていた一人だと思います。
コケは15歳(1989年)の時にLos Ronaldosというグループを結成、1987年に最初のレコード「Los Ronldos」を製作します。その後彼らの楽曲が世界的レーベルEMIの目に留まり、同アルバムが世界で発売され、以後1998年の解散までに6枚のアルバムを発表しています。
Los Ronaldosが残したヒット曲はいくつもあるのですが、中でも”Adiós papá”は、
Adiós papá, adiós papá , consíguenos un poco más de dinero.(あばよ、親父、あばよ、親父 もう少しお金稼いでくれよ)
といった反骨精神溢れる歌詞をキャッチーなメロディーを軽快なロックで纏めた1曲で大ヒット。この歌は今でも彼らと同世代以上のスペイン人にとって青春の一曲であり、同世代でない若者の間でも知られています。
自身のグループ解散後は、ソロ活動を積極的に行う一方、同世代アーティストや女性シンガーとのコラボやスペイン映画「El Otro lado de la Cama(2004年)」の音楽監督を務めるなど、精力的に活動の幅を広げています。
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スペイン語 音楽を聴いてスペイン語を上達!
今月のアーティスト:Coque Malla コケ・マジャ(男性の方)
曲名 :NO PUEDO VIVIR SIN TI
彼の若い頃のビデオを見てきた筆者にとって、50代を過ぎた今のコケじゃ全てのおいで成熟した感がにじみ出ていて昔よりずっと好きなんです。上質な筋肉から出されるエネルギッシュで男性的なつやと常に鳴り響くバックの「鈴」のような繊細なビブラートが好きなのですが、これが嫌いな人がいても不思議ではないかなとも感じています。でもこれぞ名づけて「イベリアン マチョ ヴォイス」なんです。
この声質は筆者が大好きな Izal のボーカリストにも共通しているように感じています。こうゆう声質のアーティストに出会うとたまらなくぶるるん!と身震いしてしまうんですよね。
おまけにこの歌は最高のラブソング。(スペインのアーティストの歌は対象が何なのかはっきり分からないということがよくあります)
オリジナルは2007年にコケの音頭で再結成されたLos Ronaldosの歌なのですが、この曲をコケ自身がとても気に入っていて数名のアーティストと異なるバージョンを作っています。今回ご紹介するのは仕上がり具体がまたたまらなくスウィートな、マラガ出身のシンガー「Anii B sweet」(女性のほう)とのコラボ版です。
スペイン語の歌詞
Llevas años enrredada en mis manos
En mi pelo, en mi cabeza
Y no puedo más, no puedo más
Debería estar cansado de tus manos
De tu pelo, de tus rarezas, pero yo quiero más
No puedo vivir sin ti, no hay manera
No puedo estar sin ti, no hay manera
Me dijiste que te irías pero llevas
En mi casa toda la vida
Sé que no te irás, no te irás
Has colgado tu bandera
Ha traspasado la frontera
Eres la reina
Siempre reinarás
Siempre reinarás
No puedo vivir sin ti no hay manera
No puedo estar sin ti no hay manera
Y ahora estoy aquí esperando
A que vengan a buscarme
Tú no te muevas
No me encontrarán No me econtrarán
Yo me quedo para siempre
Con mi reina y su bandera
Ya no hay frontera
Déja de llevar a ningún lugar
No puedo vivir sin ti no hay manera
No puedo estar sin ti no hay manera
No puedo estar sin ti no hay manera
No puedo estar sin ti no hay manera
Ahaha
Ahaha
Ahaha
スペイン語のキーフレーズ
使ってみたいキーフレーズ:No hay manera (ノー アイ マネラ)
意味 :どうしようもない、やりようがない
日常会話では本当によく使いますよ。歌に出てきているように ”No hay manera” だけで独立したフレーズとして使う場合は、「どうしようもない。」と何かを諦めなくてはならないような状況の時に使います。また、maneraをformaという同意語の名詞を使った言い方もあります。
No hay maneraとNo hay formaは同じ状況、場面で使えます。
【応用編】
例文① No hay manera de abrir la botella.
例文② No hay manera de que me diga la verdad.
例文①では 「manera(名詞)+ 動詞」で「(色々試したけれど)どうやってもボトルを開けられない。」
例文②ては 「manera(名詞)+ 接続法フレーズ」で「(色々試したけれど)どうやっても彼は私に真実を話してくれない。」
となります。
「~できる・できない」という可能・不可能を表現する方法は他にもいろいろありますが、No hay maneraは色々な方法=maneraを試したけれどもどうしてもできない、というニュアンスを含んでいることがポイントです。
※記事トップデザイン:フアン・ペレス・ファハルドの写真をベースにスペインの扉がデザインしています。無断使用・転用はされないようお願いいたします。
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